テレホン法話
~3分間心のティータイム~
【第1081話】「ボウに当たる」 2018(平成30)年1月1日-10日
住職が語る法話を聴くことができます
お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1081話です。
あけましておめでとうございます。子どものころ、お正月にはカルタをしたものでした。「いろはガルタ」ですので、いの一番にあったのが「犬も歩けば棒に当たる」でした。今年は戌年ですが、でしゃばると禍に遭うなどということがないようにしたいものです。今時、野良犬はあまり見かけなくなりました。大抵飼い主に導かれて行儀よく歩いている犬ばかりで、棒に当たるような犬は少ないかもしれません。
我々人間は「飼い慣らされる」ような生き方では感心しませんが、目的もなくぶらぶら歩くのでは意味がありません。自分で決めた方向に向かって、何の迷いもなく、一歩一歩進むことが大事です。「歩歩清風を起こす」という禅語があります。無心に精進して足を運ぶごとに、まわりをさわやかな風で包む、そんな歩みができたらと思う年の初めです。
さて、東日本大震災の大津波で本堂等すべてが流されたもう一つの住職地である徳泉寺。その再建のために「はがき一文字写経」を呼び掛けて6年になります。北海道から沖縄まで全国のみなさまから、一枚一枚とはがきが寄せられ、一口5千円の納経志納金が6800口を超え、確実に目標に向かっています。さわやかな風が起きたかどうかは分かりませんが、無心に一歩一歩と復興に進んでいる途上にあります。
一文字一文字心をこめた写経には、ただ無心に復興を願う祈りが込められています。その祈りのおかげで、昨年暮れ基礎工事に着工することができました。いよいよ今年から、本格的な大工工事が始まります。柱が立ち、屋根ができて、およそ一年後の完成を目指します。
「棒に当たる」とは、禍のことも意味しますが、幸運にぶつかるという例えでもあります。歩かなければ棒にも当たらないのです。確かに震災直後、何もかもなくなった徳泉寺の跡地に立った時、これからどこに向かって歩けばいいのだろうと思いました。それでも一歩でも半歩でも歩かなければ何も変わらないという気持ちだけは強く持っていました。そして、震災一年後、「はがき一文字写経」で徳泉寺を復興すると宣言しました。それから機会があるごとに呼び掛けてきました。
遅々とした歩みではありますが、歩き続けて今、希望という「ボウ」に当たったような気がしています。希望の実現のためにも、はがきに一文字写経をして、復興の片棒を担いでみませんか。本堂再建の暁には、共に喜ぼうではありませんか。
ここでお知らせ致します。徳泉寺復興の「はがき一文字写経」の当面の目標まで、あと百文字となりました。みなさんの一文字で本堂が建ちます。お心がございましたら徳泉寺復興委員会までお申し込をお願いいたします。 →【徳泉寺ページはこちら】
それでは又、1月11日よりお耳にかかりましょう。
最近の法話
【1332話】
「プラスの縁マイナスの縁」
2024(令和6)年12月21日~31日
お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1332話です。 「元旦は卑怯ですよ」。能登半島地震で里帰りをしていた家族を亡くした人の言葉です。正月でなければ家族を亡くすこともなかった。せめて一日でもずれていればとやるせない思いが言わせたのでしょう。 あれから間もなく1年が経とうとしています。この時期になると誰しもが1年を振り返りますが、被災地では、振り返るのも辛いという方... [続きを読む]
【1331話】
「肘を断つ」
2024(令和6)年12月11日~20日
住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1331話です。 お釈迦さまは菩提樹の下で坐禅を続け、12月8日にお悟りを開かれました。仏教の誕生でもあります。その因縁により、修行道場では12月1日から8日まで坐禅三昧の摂心という修行に入ります。明けて9日には断臂摂心(だんぴせっしん)というこれまた夜中までの坐禅が続きます。 断臂とは肘を断... [続きを読む]
【1330話】
「茶室とサンドウィッチマン」
2024(令和6)年12月1日~10日
住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1330話です。 「大條家茶室には僕の祖父・祖母が新婚の折に泊まったりもしたようです」これはサンドウィッチマン伊達みきおさんが、先月24日に行われた大條家茶室の修復完成記念式典に寄せたお祝いメッセージの一部です。 サンドウィッチマンがどうして大條家茶室につながるのでしょう。実は歴史上伊達政宗は... [続きを読む]
テレホン法話
~3分間心のティータイム~
- 2024年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2023年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2022年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2021年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2020年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2019年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2018年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2017年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2016年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2015年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2014年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2013年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2012年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2011年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2010年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2009年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2008年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月