テレホン法話
~3分間心のティータイム~
【第1192話】「コロコロコロナ・ン」 2021(令和3)年2月1日~10日
住職が語る法話を聴くことができます
お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1192話です。
今年の節分は2月2日です。節分は2月3日が固定の日だと思っていましたが、そうではないことを初めて知りました。立春の前日を節分というのですが、立春は太陽と地球の位置関係で決まります。地球が太陽を1周する時間が365日ちょうどでないために、立春の位置がずれることもあるのです。現在の日本人では誰も2月2日の節分を経験した人はいません。明治30年以来124年ぶりのことだからです。
節分といえば鬼です。鬼という漢字は象形文字で、大きな丸い頭をして足元の定かでない亡霊を描いています。そこから、目に見えない恐ろしいもの、人間の想像を超えた出来事の象徴として鬼を当てています。節分の鬼は、季節の変わり目に生じると考えられていた疫病や災害などを指すのでしょう。
医学や科学が未発達のその昔にあって、ひとたび疫病や災害が起きれば手の施しようがなかったことは想像に難くありません。鬼の力を少しでも鎮めたいと、お呪いのように祈りを込めて、「福は内 鬼は外」と叫んだのでしょう。自然の摂理に添って、人間の力の分をわきまえたとき、最後に残されたのがお呪いなのかもしれません。
ところで、お呪いとは悪魔の魔という事がない「魔事がない」が転じて、「呪い」になったという説があります。『法華経』に「魔事あることなけん。魔及び魔民ありといえども皆仏法を守らん」という一節があります。人を迷わせ苦しめる悪である魔事をなくすための行為が「魔事ない(呪い)」だというのです。
新型コロナウイルスが発生してから、1年が経ちます。世界全体の感染者は、累計で1億人を超えました。死者も215万人を超えて、収束の見通しが立たない現状です。節分で豆を撒き無病息災を願っての呪い事も、焼け石に水かもしれませんが、今年は124年ぶりに巡って来た特別な日の節分です。それなりに気合を入れる価値はあります。
呪いには呪文がつきものです。仏教では陀羅尼という梵語の中で、特に仏の教えや功徳を秘めている言葉を原語のまま呪文のように唱える真言というものがあります。コロナにはどのような呪いが効くのか、マジで考えてみました。それはこうです「オン コロ コロ コロナ・ン(コロナ難) サンバラ ソワカ」。意訳すれば「おお 除きたまえ 除きたまえ コロナという難を 難を逃れて めでたし」となります。「コロ」とは「除く」ということで、「サンバラ」は「難を逃れる」、「ソワカ」は「成就する、めでたい」という意味があります。
「鬼は外」の豆が、コロコロ転がってどこかへ行くように、コロナという厄病も一日も早く去っていくよう、みなさんで日々呪文を唱えましょう。「オン コロ コロ コロナ・ン(コロナ難) サンバラ ソワカ」
それでは又、2月11日よりお耳にかかりましょう。
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