テレホン法話
~3分間心のティータイム~
【第1165話】「息災」 2020(令和2)年5月1日~10日
住職が語る法話を聴くことができます

お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1165話です。
出家と家出は漢字を並べ替えただけですが、内容は全く違います。同じことがホームステイとステイホームにも言えます。語学留学でホームステイできれば息抜きにもなるかもしれませんが、コロナウイルス感染防止のためのステイホームでは、息が詰まります。
緊急事態宣言は普段意識しないことを意識する機会となりました。普通に学校に行ける、仕事ができるという当たり前の生活が、どれほど有り難いかを思い知らされました。それと同じように、普段は息をすることを意識して生きてはいません。息が詰まりそうな毎日ですが、こんな時だからこそ、ご自分の呼吸に向き合うひとときを持ちましょう。
それにはお釈迦さまから伝わっている坐禅が一番です。坐禅というと、足を組んで痛そうだとか、じっとしているのが辛そうと思われがちです。でも肝心なことは呼吸法ですが、それに至るまでの姿勢も大事ですので簡単に説明します。座布団を二つ折りにしてお尻に敷き、壁に向かって坐ります。両足を交互に組んで、腿の上に足首を置きます。両足がきつければ片足だけでも構いません。両膝が畳に着くようにして下さい。右手を下、左手を上にして4本指を重ね、両親指を軽く付けて卵の形を作り、へその下に置きます。法界定印(ほっかいじょういん)という印を結んでいる姿です。背筋を伸ばし、顎を引き、目はつぶらず、斜め45度くらいに視線を落とす感じです。
いよいよ呼吸法です。たとえば「深呼吸」と言われると、吸うことから始めますが、呼吸の呼は呼ぶという字で、息を吐くことを意味します。ですから息を吐いてから吸うのが、本来の呼吸です。坐禅の時も、先ず息を吐き、吐いた勢いで吸い込みます。私たちは腹に一物、肩に荷物を抱えて、悩み苦しみを自ら招いているようなところがあります。それらを吐き出すつもりで、本来の呼吸をしましょう。
普段の呼吸は3秒に1回、つまり1分間に20回くらいだそうです。坐禅では1回が20秒で、1分間に3回くらいが理想です。初心者はそこまでは無理としても、できるだけ長く吐いてゆっくり吸うように心がけてください。意識は法界定印に集中させ、雑念が浮かんだり、物音が聞こえても、相手にせず邪魔にもしないで、ひたすらに坐り続けます。1日に10分くらいから始めて、だんだん伸ばしていきましょう。30分間くらい続けられれば、自分の呼吸にだけ集中でき、雑念に囚われなくなります。
何の彼の言っても、この一息が生きている何よりの証であり、過ぎた一息は戻せず、次の一息の保証もどこにもない事を納得できます。息には、やすむ・やめるという意味もあります。無病息災の息災は仏の力で災いを止めるということです。坐禅に親しみ、一息になりきり、「息災」ならんご時世の1日も早く訪れることを願いましょう。
それでは又、5月11日よりお耳にかかりましょう。
最近の法話
【第1344話】
「懺悔という姿勢」
2025(令和7)年4月21日~30日

お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1344話です。 「あなたは仏教徒ですか」と尋ねられて、「ハイそうです」と答えられる人は幸いです。たいていの人は「お寺にお参りはするけど、仏教徒という自覚はちょっと・・・」と答えるかもしれません。 曹洞宗には授戒会という法要があります。1週間かけて修行を重ね、仏弟子となった証の血脈(けちみゃく)を授かるのです。授ける人を戒師、授... [続きを読む]
【第1343話】
「武士道と茶室」
2025(令和7)年4月11日~20日

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1343話です。 「武士道とは、死ぬことと見つけたり」『葉隠』の冒頭にある一節です。これは実際に死ぬというより、常に死を覚悟すべしということです。それにより一切の迷いがなくなり、思う目的に力を尽くせます。 そんな武士道を思わせる講談を聴く機会がありました。社会人講談師村田琴之介の「伊達の血筋を... [続きを読む]
【第1342話】
「無憂樹」
2025(令和7)年4月1日~10日

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1342話です。 お釈迦さまが生まれたところにあった木は、無憂樹。悟りを開いた所にあった木は、菩提樹。亡くなった所にあった木は、沙羅双樹。これを三大聖樹と言います。無憂樹はインドでは、字の如く憂いの無い木ということで、乙女の恋心を叶えるなど、幸福の木とされます。 さて、4月8日はお釈迦さまがお... [続きを読む]
テレホン法話
~3分間心のティータイム~
- 2025年
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2024年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2023年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2022年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2021年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2020年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2019年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2018年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2017年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2016年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2015年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2014年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2013年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2012年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2011年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2010年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2009年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2008年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月