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お焼香

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何事においても数にこだわりたくなるものです。
特に仏事においては、お供えものの数やお焼香の回数が気になるところです。
今回は「お焼香」についてのお話です。


問 毎日、仏壇にお線香をあげていますが、何本あげたらいいですか。

答 その前にどんな線香を何本あげていますか。

問 普通の束になった線香ですが、正直いって若い人たちから、臭くて煙くてと嫌がられ、私だけが三本ずつあげています。

答 線香には価格からいっても、ピンからキリまであります。少し吟味したものを用いると、薫りもよく煙も気になりませんし、部屋の雰囲気も荘厳な趣になります。

問 線香なんて、煙が出ればいいと思っていたんですが・・・。

答 線香は何といっても薫りが大事です。香は仏さまの食べ物であるとさえいわれています。元々はインドなど暑い地方で体臭を消し、身体を浄めるために薫り高い香をたきました。

問 どうして、香が仏教と深く結びつくようになったのですか。

答 昔、仏弟子のセンナとフナキの両兄弟尊者が、お釈迦様のために栴檀(せんだん)の香木でお堂を建て、お釈迦様を一刻も早くお迎えしようと、一心に香を焚いたところ、その香煙が遠く離れたお釈迦様の方に流れて行き、頭上を覆う香の天蓋(てんがい)となりました。お釈迦様は、この兄弟の深い信心を悟られ、早速堂に赴き開堂供養の説法をされました。この故事により香は仏さまをお迎えする作法に取り入れられ尊重されてきたということです。

問 良い香をたくさん焚いた方がいいんですね。

答 普通お焼香には、線香か抹香を用います。そしてその本数や回数を気にする人が多いようです。一説には、仏法僧の三宝に供養するから線香は三本、抹香なら三回という。しかしわが曹洞宗では一体三宝(仏宝僧の三宝は一体である)だから線香一本、抹香一回でもよいともいえます。焼香は何本でも何回でも、香煙そのものは一つになり、中天によって遍くゆきわたるものです。

問 そうすると本数・回数に拘(こだわ)ることはないんですね。

答 ここからは常識的な見解になりますが、限られた時間内に大勢で焼香する場合、香炉の大きさも考えず一人で何本も線香をあげたり、後の人を気にもせず何回も抹香を焚くのは慎みたいものです。線香なら一本を。額のところで拈(ねん)じて、香炉の奥の方から順に立てましょう。抹香も同じく一回だけで拈じれば十分です。そして、後続の人がすぐ焼香しやすいように、脇にずれて合掌低頭することをお勧め致します。

問 香を拈じて、何を唱えたらいいのですか。

答 一般的には、先程の三宝に帰依するという意味で「南無帰依仏(なむきえぶつ)、南無帰依法(なむきえほう)、南無帰依僧(なむきえそう)」と唱えます。さま、仏さまの教えである、そして法を説き示すを深く信じますということでしょうか。法事や葬儀で特定の方に向かって焼香する時は、その方のお戒名を念じることもよいでしょう。蛇足ながら、香炉やそのまわりはどうしても灰などで汚れやすいので、常にきれいにしておくよう心がけましょう。勿論、灰皿の代用にしてはいけません。香が仏さまの食べ物としたら、香炉は食器と同じです。私たちは誰もタバコの入ったお茶碗でごはんをいただく人はいないはずです。