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年末年始

20101215.jpg 日本人は年末年始にかけて、多宗教になる。クリスマス・除夜の鐘・初詣というふうに、キリスト教・仏教・神道とおおらかに受け容れている。仏教と年末年始の行事の関わりはどんなものであろう。以下は、この度、曹洞宗大本山總持寺様で発行している季刊小冊子『明珠(みょうじゅ)』に原稿を依頼され、まとめた「年末年始に関する一問一答」である。

問 除夜の鐘はなぜ108回撞(つ)くのでしょう
 108は煩悩の数と言われています。一つ撞くごとに煩悩が一つ消えるように願って撞きます。煩悩は闇にもたとえられますが、「除夜」はまさに煩悩の闇を除いて、新たな心で新年を迎えることです。
問 大掃除の心構えを教えてください
 煩悩と同じように塵や埃は積もるものです。普段できないところや隅々まできれいにしましょう。特に仏壇はきれいな布で丁寧に清めましょう。心の塵や埃も払われ、さわやかな気分で年を越せることでしょう。
問 お寺に初詣をしてもいいのでしょうか
 勿論です。お正月は特に、「初めて」を意識できる日です。煩悩が払われ心もまっさらになっています。その素直な気持で、菩提寺の御本尊さま、そこに眠るご先祖さまに手を合わせ、旧年のおかげを感謝し、本年の無事を祈ることは意義があります。
問 どうして正月にお節(せち)料理を食べるのでしょう
 お節料理とは、端午や七夕などの重要な節目の五節句に神前に供えた食べ物(節供)です。本来正月は五節句には入っていませんが、江戸時代に正月三箇日の保存食として重づめ料理がはやり、お節料理と混用され、正月料理がお節料理になったようです。
問 お正月にお寺からいただくお札はどうしたらいいのでしょう
 お寺では、お正月の三箇日の朝にご祈祷をいたします。仏法の興隆、世界の平和、檀信徒の幸福等々をお祈りします。その祈念のお礼ですので、仏壇に安置し、ご先祖の霊の安穏と、ご家族の無事を願って日々手を合わせてください。また、古いお札はお寺に持参し、お焚き上げをお願いいたしましょう。